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今は中国のマナーを笑えるが、、、

 北京五輪に向けて、中国政府は「マナー向上」キャンペーンを本格化させたらしい。
 どうやら、「礼儀の国のイメージが損なわれている」という現状に危機感を示し、「旅行先で大声で騒ぐ」、「たんを吐く」などの「非文明行動」の撲滅を目指しているとのことである。

 (中国を開発途上国というかどうかは別として)開発途上国の空港に降り立つと一様に共通しているのは、空港にいる人の多さと、総じてのマナーの悪さである。最近では、どうも人の多さは先進国でもあまり変わらないが、開発途上国ではマナーが悪いので余計に多く人がいるように見えてしまうのかもしれないと思い始めた。
 このワタクシ、開発途上国を専門に旅をしていたので(参照:「Pancho de AONORI FLYING HIGH」)、かつてのモスクワ(おっと、ソ連は開発途上国とは言わないか)にしても、ダッカにしても、北京にしても、ボンベイにしても、どこからこれだけの人が集まってくるのか、、、と驚いたものである。そして、大多数の出迎えの人に混じって、「タクシー、タクシー」と連呼するオッサンや、「マネー、マネー」という子供などが周りを取り囲むのである。
 
 しかし、当時よく思ったのだが、マナーなんてものは、比較評価で、その国ではそれが一般的で人々がおかしいと思わなければ「マナーが悪い」とは言えないのではないだろうか。
 昔、カナダに住んでいたとき、人とぶつかりそうになったり、人とぶつかったりすると、カナダ人は口癖のように、「すいません」と(フランス語か英語で)言っていた。多分、いわゆる欧米という世界は総じてそんな風習であろう。
 ところが、日本に帰ってくるとそんな風習はありえない。満員電車で揺られた瞬間に人の足を踏んづけても、「悪いのは揺れる電車だ」というような感じだし、本屋さんのように狭い通路に棚が並んでいるような場所でも、人の立っているところをぶつかってでも通り過ぎようとする人が多いが、たいてい無口である。
 このような行為を、「中国人が痰を吐いている」とけなしている日本人の大多数がしている。

 つまり、今まで中国では、「大声で騒ぐ」とか「痰を吐く」などの行為を「非文明行動」と思っていなかっただけで、ここで国を挙げてマナーを改善しようとするのだから、それはそれで良かったのではないだろうか。
 たいていのマナーというものは西洋標準となっているので、国際的なレベルでマナーを語るときには、「いかに早く西洋の真似をしたか」が基準になってしまう。中国は、日本より100年は遅れたかもしれないが、少なくとも、日本でも、明治維新の段階では同じ事をやっていた。日本人が、袴をズボンにして、ちょんまげを切ったかのごとく、中国が「(西洋的)マナー向上」に立ち上がったわけである。

 そこでふと思ったのだが、このままドンドン中国が西洋化していき、日本人程度の西洋マナーを体得してしまったら、日本は中国に勝てるのだろうか。政治的、外交的には、そもそも問題があるし、産業でもアッという間に追い付かれてしまうであろう。
 今は、なんとなく日本人の方が進んでいるように(日本人は)見ているから、中国や中国人を馬鹿にしてしまう風潮があるが、気が付いたときには。。。

 前にも書いたような気がするが、上海国際空港と都心の距離は、東京と成田空港の距離と同レベルである。東京では最低でも一時間掛けて移動するところを、上海では約8分である。日本が、何十年も実験しかしていないリニアモーターカーを実用化している国がさらに先進化しつつある。
 知り合いの中国人のお年寄りがよく言っていたが、「俺たちの世代は一番不幸だった。中国4000年の歴史の中で、俺たちのときだけ社会主義化してしまった」と。実は、今を生きている日本人は、世界に対して偉そうにできた唯一の世代かもしれない。。。 

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(引用)
イザ!:吐くな捨てるな叫ぶな!五輪へ「礼儀・中国」作戦-世界からニュース
 2008年8月の北京五輪に向けて、中国政府は「マナー向上」キャンペーンを本格化させた。国営新華社通信などによると、党中央精神文明建設指導委員会はキャンペーンを指示する通知の中で、「礼儀の国のイメージが損なわれている」と現状に危機感を示し、「旅行先で大声で騒ぐ」「たんを吐く」などの「非文明行動」の撲滅を目指している。
 「中国公民旅遊文明素質行動」と題された通知は、礼儀を知らず、秩序や法を守らず、環境保護を守らない非文明的な一部の(中国人)観光客が海外から批判されている、と指摘。そのうえで、「良好な国際イメージを確立することが急務だ」としている。
 撲滅の対象となっているのは、▽レストランなど公共の場で大声で騒ぐ▽たんを吐く▽どこでもごみを捨てる▽電車、バスで降りる人を押しのけて乗り込む▽列に並ばない-など。テーマパークや公園で子供に小便をさせるなどの行動も批判されている。キャンペーンは、観光、公安、商務、建設、鉄道、交通など関係部門が、今月から3年間継続実施する。
 北京では五輪をにらみ、「文明礼儀」に関したパンフレットを作成。上海でも10年の上海万博を視野に入れ、「100万人家庭礼儀学習」と題するマナー向上運動を始めている。
 中央政府は道徳心を高め、文明的な国家建設の意義を強調しているが、「個人主義」「拝金主義」の広がりで、どこまで効果が上がるか注目されている。
<産経新聞>
(引用終)





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コメント (2)

とおりすがり:

>人の立っているところをぶつかってでも通り過ぎようとする人が多いが、たいてい無口である。

これ、東京行ったときに感じました。
地元では感じたことがありませんので、
日本全体の傾向とは言えないかもしれません。

とおりすがり様
 コメントありがとうございます。
 確かにそうかもしれませんね。
 少なくとも、日本は他人との接触には寛容な国だという気はしますが。
 それをマナーという言葉で、「良い悪い」と決めつけては文化もクソもないので、この中国の方針もちょっとどうかな、と思うところです。

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