あおのり世相をぼやく

　前から言っている勝手な意見だが、松井はスゴイ選手だとは思うが、大リーグにおいてそれほどの選手だとは思わない。日本のメディアが日本のメディアとして金になる理由で松井を挙って取り上げてきたのは勝手だが、せっかく大リーグを毎日放送するのであればもっとスゴイ選手を見たいのが本音のところである。(マリナーズに関してはもっと言いたいことがあるが)
　松井が救急車で運ばれた瞬間から、「これは日本ではまた大変な報道になるであろう」と思っていたら、案の定、、、である。

　「米メディアも大きく報道」したらしいが、「いつ」、「どこで」だ？
　松井が運ばれて以来、こうなる(日本での報道が過熱する)であろうと思って(と思っている、このワタクシも意地が悪いが)、各メディアをチェックしてきたが、確かに「米メディアも報道」している。そりゃ、元木が怪我をしたって、ズレータが退場したって日本でも報道する。各ニュースのヘッドラインの中に「松井が怪我をした」とは書いてある。でも「大きく」は書いていない。それよりもボンズの記録の方がどちらかと言えば大きい。ニューヨークはさすがに地元なので多少大きくは報道しているが、それを「米メディアも大きく報道」とするには無理がある。要するに、「米メディアも普通に報道」しているだけである。同様に、英国のロイター通信、フランスのＡＦＰ通信なども普通に報じているだけである。それが「反響の大きさを示した」と時事通信が言うほどのことにはならない。フランスで野球のニュースに反響なんてあるわけが無い。(逆に気になったのは、米メディアの報道は「松井」そのものよりも「連続出場記録が止まった」ことに焦点が当てられていた気がするところである)

　どの国の人にも愛国心があるので、自国の人間が世界的に活躍することには興味がある。おまけに日本人の場合は、日本が世界で通用していない、という勝手な思い込みがあるのか、少しの活躍で大騒ぎしてしまう気がしてならない。日本は世界で有数(どころかトップクラス)の大国である。日本のことは、我々が思っている以上に普通に報道されている。わざわざ「松井を大きく報道」なんて日本のメディアが煽らなくても、日本に関する事は報道されている。

　正直なところ、松井の怪我の報道が大きく報道されていようが普通に報道されていようがたいした問題ではない。しかし、怖いのは、日本のメディアが情報を歪曲して伝えていることが気になるのである。
　「日本は軍隊を持っていない」と日本人が思っていても、世界の人は「イラクに日本軍がいる」と思っている。９０年代に社会党政権が誕生したときも、国内では「自民党敗北」という印象であったが、国によっては「日本は共産化！」と報道されている。こういうことを報道すべきがメディアであるはずなのに、普通のニュースを大きなニュースとして国民を煽っているのが現状である。だから、その昔、アメリカの上院議員が日本車をぶち壊したときも、「米で反日感情激化」と報道したが、日本の一地方議員の行動なんて日本人は気にしないのに、アメリカの地方議員の行動は日本で大騒ぎになる。マスコミは反米感情を煽りたいだけだったのか。そして、その「反日感情激化」というニュースはアメリカでは「大きく」は報道されていない。

　太平洋戦争で日本軍は負けていても勝っていた、と伝えてきたマスコミの報道スタイルは今も変わっていない。

(関連サイト)
　「日本の事なんて報道していない」

(関連カテゴリー)
　「報道をぼやく」カテゴリー

(引用)
米メディアも大きく報道＝ヤンキース・松井秀の左手首骨折－大リーグ
(時事通信社 - 05月12日 19:10)
　【ニューヨーク１２日時事】米大リーグ、ヤンキースの松井秀喜外野手が１１日のレッドソックス戦で左手首を骨折したことについて、米紙も１２日付で大々的に報じた。
　ニューヨーク・タイムズの電子版は、スポーツ面のトップで松井秀の負傷を報道。「手首の骨折で連続試合出場が止まる」の見出しから始まる内容で、「（松井秀の欠場で）チームの問題が深刻化した」と続けた。ヤンキースのキャッシュマン・ゼネラルマネジャーの「（復帰まで）時間を要するだろう。シーズン中に復帰できるかどうか定かではない」といった談話を引用し、今季中の復帰が絶望になる可能性も伝えた。
　ニューヨーク・ポスト、ニューヨーク・デーリー・ニューズもトップ記事で掲載。新たな外野手獲得の見通しも報じている。
　米スポーツ専門テレビ局のＥＳＰＮは、負傷した場面を再三繰り返したほか、大リーグ現役選手としては２位となる連続試合出場が５１８で途切れたことを、グラフを使って詳しく説明した。
　米メディアのほか、英国のロイター通信、フランスのＡＦＰ通信なども報じ、反響の大きさを表した。
［時事通信社］
(引用終)