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ヤンキー魂

 昼はまだしも、トゥールーズの朝は非常に寒い。その激寒の中、あろうことか、朝6時40分発という、ありえない時間の飛行機に乗るべく空港に向った。

 最低25分前までにはチェックインしてほしいと聞いていたが、本当に25分前に行くと大変なことになってしまう。欧州の地方都市の宿命なのか、早朝に都会行きの飛行機が連続して出発するので、チェックインカウンターや、特にセキュリティは大変な混雑になってしまう。
 前日は、目覚ましを4時半にセットし、ホテルのモーニングコールを5時に頼むという万全の体制で朝に臨んだ。案の定、4時半の目覚ましの音は、熟睡しているこのワタクシの耳には届かなかった。。。5時に起きて、身支度をして部屋を出たのが5時40分。もう出発まで1時間になっていた。

 実はこのワタクシには、レンタカーを返却するという一大事業があった。1時間(現実的には、チェックイン終了まで35分)でチェックインカウンターまで到達できるのかは甚だ疑問である。とにかく、荷物を担いでホテルをチェックアウトし、駐車場の車に向った。
 とにかく寒い。息も真っ白だったが、それよりも驚いたのは車も真っ白であったということである。エンジンを掛けて、前後のワイパーを動かし、白い部分を消そうとしたが、その白いものは単なる霜のようなものではなくて氷であった。当然ワイパーではビクともしない。同様に窓も4面とも完全に凍っている。雑巾も何もなく、この激寒の中で手で拭いて手が車にくっついて取れなくなったらまずいので、仕方なく車の温度が上がるのを待った。しかし、あまりにも寒くて、車そのものの温度がなかなか上がらない。なんとか前後の氷を取り除き、窓はまだ真っ白のまま、真っ暗な夜道を発車したのが、5時55分。。。
 空港までぶっ飛ばし、いまだに窓4面が真っ白な車をなんとか返却し終えたのが、6時10分。あとは、チェックインカウンターまでひたすら走った。
 ちなみに、このワタクシは、トゥールーズ→ミュンヘン→シカゴ→シアトル、と向っていた。大西洋横断も、アメリカ入国もよくあるので、手続きの面倒くさいのはおり込み済みである。しかし、今回は手続きが増えていた。アメリカ政府もいろいろと新たなことを考えるものである。入国後の滞在先をチェックイン時に航空会社に言っておかないといけないらしい。航空会社はそれをパソコンで入力し、到着空港の入国審査のところに先に送っておくらしい。
 某航空会社のトゥールーズの係員は、どうもその作業をするのが始めてのようであった。彼女を非難する筋合いはない。その某航空会社(というか全ての航空会社)は、トゥールーズからアメリカに直行便を飛ばしていないので、普段そのような業務は発生しないはずである。このワタクシのように、次の乗継便が同じ航空会社の客が来たときだけは否が応でも対応しないといけない。
 滞在先の通りの名前を聞かれ、市を聞かれ、州を聞かれ、答えるとその度に彼女は入力している。問題は、その次の質問であった。郵便番号(Zip Code)を聞かれた。他の国の郵便番号なんて知る由もない。彼女も、「これはナンセンス」なんて言っている。さすがフランス人! とにかく判らないので、その項目を飛ばそうとしたのだが、彼女は、どのようにしてその項目から次の項目にカーソルを飛ばすかが判らない。WindowsならTabだろう、、、なんて思っていたのだが、結局彼女はその項目を飛ばすことができなかった。仕方がないので、「12345」と入れておくと言って、作業は終了した。既に6時35分であった。
 セキュリティを終え、バスに乗り込むと同時に扉が閉まった。他の客が、「お前か、一人遅れていたのは。。。」なんていう目でこの東洋人を見つめている。
 飛行機に乗った瞬間に眠りに落ちたこのワタクシがふと気が付いたときには、飛行機は雪で真っ白に覆われたミュンヘン空港の滑走路の端っこにいた。

 その後飛行機は、海を渡っていざシカゴに。
 アメリカの入国審査は、とにかく「First come, first served」(早いもん勝ち)である。カウンターに着くのが遅くなれば、加速度的に待ち時間が長くなる。飛行機から出た瞬間に突っ走った。こういうときは、途中にエスカレーターなんかがあっても絶対に乗ってはいけない。誰もがそこそこの荷物を持っているので、エスカレーターでは追い抜きができないからである。逆に言うと、階段を突っ走れば、一気に逆転できるのである。数十人をゴボウ抜きし、ゼーゼー言いながらカウンターに着いたときには、まだ列がほとんどできていなかった。
 そして、このワタクシの順番が来た。
 指紋を取られ、写真を取られるのはいつものことである。その後型通りの質問(「何しにきた?」、「何日いるのだ?」など)で終るはずであるのだが、今回は違った。「あなたは、XX市の○○に行くのか?」と聞いてきたので、「そうだ」と答えると、「その市の郵便番号は○△□☆★である」と言って、既に送られてきた情報をプリントアウトした紙の郵便番号の部分を訂正した。
 そして係官は、「今日は、12345に行く人が10人、99999に行く人が15人もいた。この質問はナンセンスだ」と呟いた。。。





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コメント (4)

ザビエル:

アメリカの入国審査、郵便番号がそんなにいいかげんで大丈夫なんですかね?

Aonori:

あんなに大きな国なので、入国後どこに行ったかなんて、そもそも確認しようがないと思うのだが。。。

沙織:

電話番号も適当でいいんですかね?

Aonori:

 たぶん、電話番号が適当でも問題はないと思います。なお、さらに一ヵ月後に行ったときには、なんと某航空会社の係員の手際が良くなっていて驚きました!

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